【ブック・クラブ】60代からの「セックス・アンド・シティー」はもっと楽しくなる

Book Club(ブック・クラブ、読書会)は、「長い付き合いのいい女友達」と「セックス」と「明日への希望」が詰まったロマンチックコメディーです。とにかく出演している大女優たちが年をとっても大変魅力的です。若いひとたちに比べて、という意味ではありません。彼女たちは「年齢という規制から外れているからこそ」美しいのです。

製作国:アメリカ
公開:2018年(日本公開:未定)
監督:ビル・ホルダーマン
キャスト:ジェーン・フォンダ、ダイアン・キートン、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェン、アンディ・ガルシア、ドン・ジョンソン、リチャード・ドレイファス

ブッククラブ(読書会)でポルノを読む?!?

ダイアン(ダイアン・キートン)は40年の結婚生活のあとで夫と死別、娘たちは初めて独り暮らしになった母をことのほか心配しています。

ビビアン(ジェーン・フォンダ)はバリバリのキャリアウーマンとして男たちとの深くならない関係を楽しみ、連邦裁判官のシャロン(キャンディス・バーゲン)は何十年も前の離婚からまだ立ち直っていません。

そして、キャロル(メアリー・スティーンバージェン)は35年の結婚生活で初めての倦怠期を迎えています。

そんな彼女たち4人の楽しみは40年以上続く楽しいブック・クラブ(読書会)。ところが「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」という女性向けのポルノを読んでから、それぞれの生活はいきなり変化し始めます。

 

今流行りのマミー・ポルノとは

聞き慣れない言葉ですが、マミー・ポルノ(Mummy Porn)とは「フィフティ・シェイズ」シリーズのように、家庭を持つ既婚女性読者を対象としたポルノ作品のことです。

かなり過激な描写が散りばめられていますが、ラブロマンスでもあり、いわばハーレクイーンロマンスでは物足りない女性たちに「こっそりと、しかし熱狂的に」受け入れられました。

ちなみに、主役のひとりであるドン・ジョンソンの娘ダコタ・ジョンソンは、映画版『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の主演女優に抜擢されています。

 

65歳以上の女性たちのロマンチックなセックスコメディー

「若いひとたちにはわからねぇだろうなあ」と言いたくもなるでしょうが、テレビドラマ「セックス・アンド・シティ−」が好きだったら、その30−40年後を想像してもかなり楽しめると思います。

コメディーの常で時々薄っぺらいと感じる場面もありますが、それでも往年のセクシー女優たちがまだ健在で「セックスを楽しんでいる」ことに喝采を送りたくなります。

ストーリーが軽かろうと、何よりもそれを演じている俳優たちのパワーがすごいのです!

女優たちばかりではありません。チョイ役にリチャード・ドレイファスなんぞ出てきたりしてビックリしますし、アンディ・ガルシアなんか今のほうが(わたしの年に近いからかもしれませんが)ステキです。うっとりします。

 

御年80歳のジェーン・フォンダが美しい

そりゃあ何度も整形はしているでしょうが、それにしても彼女の美しさは奇跡的でさえあります。昔、エアロビクスとフィットネスという言葉を広めたのも彼女でしたから、今でもきっと専属のトレーナーをつけてトレーニングをしているのではないでしょうか。80歳ともなると、背中が丸まったりぎくしゃくとした歩き方になるものですが、彼女は背筋をまっすぐと伸ばし、10センチのヒールで颯爽と歩きます。カッコイイなあ。

そして、そのほかの女優たちもダイアン・キートン(71歳)、キャンディス・バーゲン(71歳)、そして一番若いメアリー・スティーンバージェンでさえ64歳です。皆生き生きと人生の後半を充実させている世代です。

男優のほうは、ドン・ジョンソンが68歳。「マイアミ・バイス」のころのラフなスーツ姿と素足のローファーが印象的でした。

そして、わたしの大好きな(←ここ強調)アンディ・ガルシアが62歳。わたしのアイドルです。若いころは真ん中分けの額にかかる髪がセクシーなラテン系、年取ってからも白髪の混じるひげが似合うロマンスグレーで、ため息モノです。

 

歳はとっても楽しいことは沢山ある!

連邦裁判官などというおカタイ仕事のシャロン(キャンディス・バーゲン)だって、オンラインデートで車内セックスを楽しみ始めます。お相手も医者だったり会計事務所の重役だったり。

未亡人のダイアン(ダイアン・キートン)にはパイロットの男性との偶然の出会いがあります。

そして、キャロル(メアリー・スティーンバージェン)はバーでこっそりと夫の飲み物にバイアグラを混ぜます。もう公にビンビン…おまけに帰り道でパトカーに車を止められてしまい、車から外に出なければならないハメに…。女性警官の視線が笑えます。

ビビアン(ジェーン・フォンダ)は、40年前に結婚を拒否した男性から再び関係を迫られて、今までの気ままな生活に終止符を打つかどうか、心が揺れ動きます。

お年を召したひとたちには勇気と希望を、そして若いひとたちには年をとっても同じようなことをやってんのね、というクスクス笑いをもたらす映画です。

残念ながら、日本ではまだ公開が決まっていないようです。

 

オススメ度
★★★★☆
楽しくて軽くてセクシー。若い女性にもお年を召した女性にも。
出演している男性たちもステキなので、一緒に観る男性も将来のために自分を磨いてね。

ABOUTこの記事をかいた人

gaby がび
オーストラリア某私立校日本語・フランス語教師。休暇はほとんどタイの首都に滞在しています。 英・独(スイス訛りあり)・仏の多国語遣いですが、一番得意なのはもちろん日本語です。タイ語は買い物ができる程度。ツイートとブログと料理と映画でストレス解消中。映画は基本的に独りで観に行くのが好きです。 映画鑑賞の記録はこちらから。