キム・カーダシアン、マリリン・モンローの伝説のドレスでメット・ガラへ…批判の嵐とオドロキの裏話

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毎年5月第1月曜日に開催されるメット・ガラは、世界最大のファッションイベント。そこに世界中から招待され華麗なドレスを身にまとうのは、俳優やミュージシャン、モデル、そしてデザイナーなどのセレブたちだ。

今回注目を集めたのは、俳優やミュージシャン、モデル、そしてデザイナーなどの数々の肩書を持つセレブ、キム・カーダシアン。家族の生活を赤裸々にさらしたスキャンダラスなリアリティーショー「カーダシアン家のセレブな日常」で世界的に有名になった。

そのキム・カーダシアンが、メット・ガラで身にまとったドレスがよくも悪くも話題になっている。

 

マリリン・モンローの伝説のドレス

故マリリン・モンローが1962年ケネディー大統領の誕生日式典で着た美しいドレスは、2500個のクリスタルが手縫いで散りばめられている豪華なものだ。

ドレスだけではなくその姿とセクシーに歌った「ハッピーバースデー、ミスター・プレジデント」は今も語り継がれている。その数カ月後に、マリリン・モンローは睡眠薬の飲みすぎによりこの世を去った。享年36歳。

2016年のオークションで、珍しいものばかり集めた美術館「Ripley’s Believe It or Not」が480万ドル(約6億円)で競り落とした。キム・カーダシアンはそのドレスを美術館から借り出し、メット・ガラに登場したのだ。

 

キム・カーダシアン、メット・ガラに登場するために…

どうしてもマリリン・モンローのドレスが着たかったキムは、かつてのオークションで美術館「Ripley’s Believe It or Not」にドレスを売ったジュリアン・オークションの創設者に、母親と一緒に相談に行った。彼に仲介者となってもらうためだ。

ところがその仲介者を通しても美術館は首を縦に振らなかった。
歴史的な価値のある60年前のドレスを着るなんてとんでもない、ウチにはそのために複製のドレスさえある、と。こうした要請は今までにも来たが、美術館側の答えはいつも「NO」だった。
キムは納得しなかった。

ようやく美術館側が納得したのは、レッドカーペットの短い時間のみ着ること、美術館側からは女性の専用警備員をつけることを条件につけ、キムが承諾したからだった。

事前の準備のため、キムが試着してみたのは複製のドレスだった。ピッタリというよりむしろ多少大きめだったが、複製ならまだしも本物のドレスに手を加えることは許されていない。それで納得したキムだったが、その後もっと大きな問題が持ち上がった。

マリリン・モンローの本物のドレスを試着しようとしたが…キムには小さすぎたのだ。
これは1962年当時の布地が、現在のストレッチ布地のようにぴったりと体の線に合わせて収縮するようにできていなかったためと伝えられている。
マリリン・モンローは168cmで豊満な肢体の持ち主だったが、158cmのキムよりはるかに細かったようだ。

キムは諦めなかった。
7キロ落とせば着られる、という証明のもとにダイエットに励み、数週間でちょうど7キロ落としてドレスが着られるようになったのだ。短期間のダイエットの是非はともかく、その執念には頭の下がる思い…。

 

当日のキム・カーダシアン

当日のキム・カーダシアンは、ボーイフレンドのコメディアン、 ピート・ディビッドソンとレッドカーペットに現れた。当日のメトロポリタン美術館でのメット・ガラで最も注目を浴びたカップルだった。

ただし、1時間にも満たないレッドカーペットの登場シーン「以外」でキムが着ていたのは複製のドレスだ。レッドカーペットに登場する前と後には、直接会場に用意された着替えルームに警備員と一緒に入って着替えている。

レッドカーペット上に現れたキムは、髪を当時のマリリン・モンローのようにプラチナブロンドに染め、純白の毛皮コートをまとって、その素晴らしいスタイルを見せている。

 

識者・歴史学者たちからの批判の嵐

歴史的に価値のある60年まえの豪華なドレス。こうした衣装の劣化と装着の際の事故への懸念から、実際に着ることへの批判は当然持ち上がった。
2500個ものクリスタルがつけられたドレスはその垂直な重みで生地が痛むのも考えられるからだ。

そして、もうひとつの懸念はキムがこの60年前の歴史的なドレスを着たことで、これからセレブたちが歴史的な衣装を身に着けようと収集家または美術館に押し寄せることだ。皆が皆セレブだからと、こうした歴史的遺物を実際に借り出すのはその価値をおとしめることになるのではないか、と。

ただし、キム・カーダシアンの母親クリス・ジェンナーとジュリアンオークションのジュリアンは「歴史的なドレスをこうして公にすることで、若い世代にファッションの歴史を垣間見せるという意義がある」としている。

しかし、この数時間のメット・ガラで輝くために、セレブたちが「投資」する意気込みと時間と費用には確かに感心してしまう。

 

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gaby がび
オーストラリア某私立校日本語・フランス語教師。休暇はほとんどタイの首都に滞在しています。 英・独(スイス訛りあり)・仏の多国語遣いですが、一番得意なのはもちろん日本語です。タイ語は買い物ができる程度。ツイートとブログと料理と映画でストレス解消中。映画は基本的に独りで観に行くのが好きです。 映画鑑賞の記録はこちらから。